熱い思い、志。
私は浦島漁業協同組合の組合長として、アサリやイカの漁業者が安心して暮らしていけるようにすることが、自分の大きな責任だと思っています。 組合員が潤い、次の世代に漁業を残していける環境を整えることが、私の使命です。
そのために、5年ほど前からアマモの再生と漁場整備に本気で取り組んできました。
アマモを増やし、海を再生するための取り組み。
アマモはイカの産卵場であり、海の生き物の住処です。 しかし、海の栄養が減ったことで、アマモがほとんど消えてしまいました。
このままでは海が死んでしまう。 そう思い、私は4つの干潟(海老・高尾・灘・百島)でアマモの種を撒き、海に肥料(チッソ・リンなど)を与える作業を続けてきました。
肥料は年に3回撒きます。 春には種を採り、夏には選別し、秋には種を撒く。 地道な作業ですが、これを続けることで、今年ついに「海老干潟」でアマモが再生しました。 再生したアマモから種を採れた時は、本当に嬉しかった。 長年の努力が報われた瞬間でした。
産学官が連携する「松永湾里海協議会」の立ち上げ。
2025年11月には、かつて豊かな藻場と水産資源に恵まれていた松永湾を、もう一度「豊かな里海」に戻すために、 漁業者・企業・学校・大学・行政が連携する『松永湾里海協議会』を立ち上げました。
海の再生は、漁協だけではできません。 科学の力、若い力、地域の力が必要です。
最近では、浦崎中学校の生徒や福山大学の学生が、 春の種採り、夏の選別、秋の種まきに参加してくれるようになりました。 若い人たちが海に関わってくれることが、私は本当に嬉しいです。
将来のビジョン ―
昔のような「魚がたくさんいる海」を取り戻したい。
私の願いはただ一つです。
昔のように、魚がたくさんいる海に戻したい。
海藻や小魚が増えれば、大きな魚も戻ってきます。 しかし今は、海藻が95%も消えてしまう「磯焼け」が起きており、稚魚が隠れる場所がありません。 放流しても育たない。 だからこそ、アマモの再生が必要なのです。アサリの出荷量は今は1トンに届きません。 しかし、将来は1.5〜2トンまで増やしたいと思っています。
組合員は300人弱ですが、若い世代は50代が中心です。 アサリの活動をしているのは20人ほど。 出荷量が増えれば、若い人が漁業に戻ってきてくれるはずです。
中学生や大学生がこの活動に触れることで、 「漁業も進路の一つだ」と思ってくれたら嬉しい。 そう願いながら、私はこれからも地道に取り組んでいきます。