海属の仲間たち
尾道海属参加事業者一覧
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渚の交番 SEABRIDGE 代表 酒井裕次
ふるさとに、恩返しを。
因島市(現:尾道市因島町)で生まれ育ち、広島県内の高校に通っていました。当時は、田舎ならではの閉塞感に疑問もあり、都会への憧れを感じていました。高校卒業後は手に職をつけたくて、京都の調理師学校に進み調理師免許を取得。しばらくは飲食業で働いていましたが、子どもの頃から東京に行って何かしたいという夢を諦めきれず、21歳の時に鞄一つ、夜行バスで単身上京しました。東京では以前から興味があった広告会社に入社し、営業や企画編集を経験しました。2007年の30歳で独立、起業。都会で働く中で充実感もありましたが、一方で島を離れてみて分かる、瀬戸内海の魅力も意識し始めていました。
2011年の東日本大震災を機に、働き方の価値観が変わり、これからの新しい働き方として、地方に住みながらでも首都圏との仕事ができる実績を作りたいと思い、東京との2拠点ワークをしながら、移住コーディネーターや、企業や地域のブランドデザイン構築などを手掛けています。因島に戻ってからは、故郷を盛り上げようと、「伝える」をテーマに、因島のしまなみビーチにフラッグを一斉に掲げるイベントSIGNALを企画開催。このイベントでは全国の参加者がそれぞれの思い出の写真データを帆布の旗へ印刷し、世界に一枚しかないオリジナルの旗を製作しビーチに掲げました。また、2017年には海の家、THE BEACH TERRACEを期間限定でオープン。こういった賑わい創出にも、この島にはそれを一緒に創ってカタチにしてくれる沢山の仲間たちがいるのが大きな力となっています。
海を接点に多様化を生みたい。
渚の交番 SEABRIDGEは、日本財団とNPO法人PLUS及び尾道市と協働で開設されました。海の恩恵を受けてきた尾道・因島において、海(sea)が、「人と人」や「人と産業」の懸け橋(bridge)となるようにと願いが込めれています。目の前の瀬戸内海を大小様々な船が運航されている様子を見ながら、地域と海、そして造船業とのつながりを、ゆったりとした時間の中で感じることができます。SEABRIDGEは、食、技術、文化、芸術をテーマに、あらゆる地域と人やモノをつなげていくという想いが込められています。また、施設の内装にも拘っています。海に面した開口部から内部へとつながる通路の天井に設置されている、吊り下げ式のルーバー。天井高4mの空間で2色を組み合わせ、空間に変化や奥行き感を演出しています。正面、カウンターの背壁両サイドに常設展示されているのは、伊藤咲穂さんの錆和紙の作品です。この作品の材料となる砂や鉄粉は因島の海岸や造船工場で採取したものが使われており、“凪と渦”、“陰と陽”を表現しています。海との関わりの中で、『変化を受け入れ、時代に沿った価値観や多様性を地域に繋いでいきたい』というメッセージが込められています。ここに来るお客様も多様化してきています。外国の方も増えてきました。地元の子でも、目の前の外国船を見て、海外に行きたいと思う子どももいるかもしれません。島にいる人達も、魚介の恵みだけでなく、空間やデザイン、滞在や交流で新しい価値を見つけ、日常の中に非日常を見出せる場所として当施設を利用してもらいたいと思います。私たちの仕事は「デザイン」「空間」「プロジェクト」。HP制作やブランドを詰め込んだものを発想して、企画して、伝えていくことがミッションです。海の新しい価値を分かってもらう仕掛けも大事な要素です。今後は、この因島大浜にもう少し人が来るような仕掛けをしたいです。それは、このエリアに新しい拠点なのか、インフラ整備なのか、アイランドホッピングができるよう島と島とをつないでいきたいと思います。その為にも、私のミッションはここに桟橋を作り、因島と向島、瀬戸田など、島と島とをもっと身近に感じれるよう、連携を深めていければと思います。
基本情報
渚の交番 SEABRIDGE
〒722-2101広島県尾道市因島大浜町87-1
定休日:水/木
営業時間:10時~17時
駐車場:100台(アメニティ公園内)
Tel:0845-24-1212